コミュ障な元ヤンくんに今日も溺愛されてます。



***

せっかくなのでお祭りには長崎くんも誘った。

長崎くんは二つ返事でOKしてくれた。


ーー迎えた当日。

私と麗香は西神社の鳥居の前に来ていた。


予想通りの人混み。

みんな考えることは同じだ。

この辺じゃ一番大きい花火大会だから、
夏休みの最後の思い出作りにはもってこいだもんね。


「鳥居待ち合わせにしたの失敗だね。」

「大丈夫よ。こんなに可愛くした都に
谷くんが気づかないはずないわ。」

「何言って…それ言うなら麗香の方が!」


麗香は慌てることなく隙のない笑顔を見せた。

誉められ慣れてない私とは大違い。


私たちは昼過ぎから気合いをいれて準備をしてきた。

浴衣はもちろん、普段はしないお化粧も。

せっかくのお祭りだし、シャッターチャンスだもんね!


「麗香、写真撮ろ!」

「忙しい子ね。」


麗香とのツーショットをSNSに載せると、
あっという間にたくさんのいいねがついた。

さすが麗香!

存在が映えだ!



「あ。西園寺、近衛!」

「長崎くん!」


二人で写真を撮っていると、長崎くんと合流した。


「長崎くんも、写真とろ~!」

「いいよ。」

「悪い。遅れた。」

続けて匡も現れた。


あ、れ…?

匡ってこんなにカッコよかったっけ?

いや、カッコいいのは知ってたはずだ。

改めてそう思ったのは…なんでだろう。


「谷くん遅い。」

「なんで俺だけなんだよ。
長崎もおんなじくらいに…」

「こんなに可愛くしてる都を早く見たいと思わないの?」

「はぁ?何…を」


匡は私の方に視線を向けると、
麗香への反論を中断した。


そんなにじっと見つめられると照れる…。


「ほらね?
谷くんが遅れてきた分、損してるのよ!」

「アホか。」

「なに?どうして私?」


麗香と匡に聞くけれど、こういうときは決まって二人とも口をつぐむ。

私はいつも通り諦めるしかなかった。