天国に恋してる

高校へ着くと母は事情を話に中へ入っていった。

結構な時間が経過して

当時高校3年生だった姉と、高校2年生だった兄が出てきた。


家族4人で、ひとまず少し離れた市のシェルターへ向かった。

DV被害を受けた方などが身を隠すことが出来るシェルターだったが
男性禁制のため、兄は入れないと言われた。

兄は、自分は車でいいと言ってたが
そんな事させない。そう言って車はまた動いた。
道中、携帯はずっと鳴っていた。
父からの着信、メール、留守電で通知は溢れていた。

堪忍した父が一通のメールを送ってきた
(分かった。離婚しよう。離婚の話し合いをしたいから帰ってきてくれ。)


母は、第三者に離婚の話し合いに立ち会ってもらい
離婚の話し合いが終わった。

父が出ていく時
今まで愛してもらった記憶なんてない
抱っこして貰った記憶や、公園で遊んだ記憶、自転車を教えてもらった記憶、宿題を教えてもらった記憶
そんな記憶何一つない
父との唯一のいい思い出は、クリスマスの日
雪がシンシンと振る中、父と二人で、父の名前の漢字を窓ガラスに書いて教えてもらった事

たったそれだけしか楽しかった記憶が無いのに

出ていく時、父を追いかけた。

泣きながら、パパ待って、置いていかないで
すてないで


父は、車を止めずに
目の前から消えた。