明治恋奇譚 〜藤堂様、ミエテマスヨ!~


玲子は驚きに目を見開く。

「……将吾様、やはり……お気づきで?」

 将吾はしばし目を閉じ、低く答えた。

「叔父上の振る舞いには、以前から不自然な点があった。だが証がなく、軽々しく口にすれば一族を乱す。だから黙して見守っていた。……だが、そなたの言葉で確信に変わった」

 その眼差しは、炎のように揺るぎなく強い。

「……祖父上の死の真相、必ず突き止める。俺の手で、すべてを白日の下に晒す」

「……将吾様……」

 将吾はゆるやかに頷き、力強く言葉を結んだ。

「共に行こう、玲子殿。叔父上が何を隠していようと、もう目を逸らすことはしない。俺も一緒に行く」

 玲子が顔を上げる。
 その瞳には、安堵と感謝が滲んでいた。

「ありがとうございます、将吾様……!」

 その笑顔を見た瞬間、将吾は心の中で静かに誓った。
 この旅路で、絶対に玲子に怖い思いはさせない。
 何があっても、守り抜く。

 書斎の灯火が、二人の決意を照らしていた。
 この夜、玲子は秘密を打ち明け、将吾は揺るがぬ覚悟を示した。
 こうして二人は、藤堂家を揺るがす真実へと歩みを進めるのだった。