『今日のお主とのやりとりを見ていて、わしはぞっとした。玲子殿にも怖い思いをさせてしまったな……』
玲子は、ゆっくりと顔をあげ、窓の外の花壇に視線を移した。
そして、昼間、輝明に会った時の事を思い返す。
確かに、あのとき……にこやかで礼儀正しいやりとりの中に、言いようのない不気味さがあった。
まるで、すべてを見透かされ、同時に見下ろされていたような。
「……怖かったのだと思います。にこやかに優しくしてくださるのに、なぜか……心が凍えるようで……」
『そうじゃろうな。……あいつはの、よく“藤堂のため”と言う。だが、その言葉の裏にあるのは、己のための“正義”じゃ』
玲子は少しだけ身を縮めた。
一将の声には、親としての悲しさと、死者としての確信があった。
『拙者は間違ったのかもしれん。息子だからといって、わかり合えていると思っていたのは、拙者の思い上がりだったのだ。生きている時に、もっと……あやつと、腹を割って話すべきだった。それを……今さら言っても遅いのう』
玲子は小さく首を振った。
「きっと、伝わっていた部分もあるはずです。……それに、尚文様も、将吾様も心の優し人ではありませんか。それは、きっと一将様のお気持ちが、受け継がれているのだと思います。わたくしも一将様には、たくさんの事を学ばさせていただいております」
玲子は、ゆっくりと顔をあげ、窓の外の花壇に視線を移した。
そして、昼間、輝明に会った時の事を思い返す。
確かに、あのとき……にこやかで礼儀正しいやりとりの中に、言いようのない不気味さがあった。
まるで、すべてを見透かされ、同時に見下ろされていたような。
「……怖かったのだと思います。にこやかに優しくしてくださるのに、なぜか……心が凍えるようで……」
『そうじゃろうな。……あいつはの、よく“藤堂のため”と言う。だが、その言葉の裏にあるのは、己のための“正義”じゃ』
玲子は少しだけ身を縮めた。
一将の声には、親としての悲しさと、死者としての確信があった。
『拙者は間違ったのかもしれん。息子だからといって、わかり合えていると思っていたのは、拙者の思い上がりだったのだ。生きている時に、もっと……あやつと、腹を割って話すべきだった。それを……今さら言っても遅いのう』
玲子は小さく首を振った。
「きっと、伝わっていた部分もあるはずです。……それに、尚文様も、将吾様も心の優し人ではありませんか。それは、きっと一将様のお気持ちが、受け継がれているのだと思います。わたくしも一将様には、たくさんの事を学ばさせていただいております」


