一方、町へ出た将吾は、尚文が足を運びそうな小間物屋や呉服屋、茶店などを順に巡っていた。
だが、どこを探しても、尚文と玲子の姿は見つからない。
(尚文のことだから、何か洒落た店に連れて行ったか……?)
そんな風に思いながら、最後に思い当たる裏路地に足を向けた。
その時……空気がふわりと揺れた。
『将吾、将吾! 大変でござる! 玲子殿が、攫われた!』
一将が助けを求め、ついに将吾の元へと駆けつけて来たのだ。
焦燥に駆られた表情で、空中に現れた一将は、懸命に将吾へ声を届けようとする。
『店で継母の百合絵と鉢合わせしてな。尚文が目を離した隙に……くっ、間に合わなんだ!』
だが……。
その声は、将吾には届かない。
まるで気配を感じたように、将吾は一瞬だけ振り返るが、その瞳には誰の姿も見えない。
(……妙だな)
心の奥に、ぞわりと冷たい感覚が走る。
(何か、胸騒ぎがする。早く玲子殿を見つけなければ……)
将吾は無意識に足を速め、町の人混みの中を駆け出した。
一将は、その背を追いながら歯噛みする。
『くそっ……! 頼む、将吾! 間に合ってくれ!』
だが、どこを探しても、尚文と玲子の姿は見つからない。
(尚文のことだから、何か洒落た店に連れて行ったか……?)
そんな風に思いながら、最後に思い当たる裏路地に足を向けた。
その時……空気がふわりと揺れた。
『将吾、将吾! 大変でござる! 玲子殿が、攫われた!』
一将が助けを求め、ついに将吾の元へと駆けつけて来たのだ。
焦燥に駆られた表情で、空中に現れた一将は、懸命に将吾へ声を届けようとする。
『店で継母の百合絵と鉢合わせしてな。尚文が目を離した隙に……くっ、間に合わなんだ!』
だが……。
その声は、将吾には届かない。
まるで気配を感じたように、将吾は一瞬だけ振り返るが、その瞳には誰の姿も見えない。
(……妙だな)
心の奥に、ぞわりと冷たい感覚が走る。
(何か、胸騒ぎがする。早く玲子殿を見つけなければ……)
将吾は無意識に足を速め、町の人混みの中を駆け出した。
一将は、その背を追いながら歯噛みする。
『くそっ……! 頼む、将吾! 間に合ってくれ!』


