少しすると梨佳が歩いてきた。


「・・・・」

「…どした?」

沈黙を破ったのは私。


「…佳菜に謝らなきゃいけないの。」


私はただ梨佳の話を静かに聞いていた。


「無視してごめんね…
悪いのは私なのに…
昨日悠斗の話してたよね。
それで悲しくなっ


「えっ!悠斗の話してないよ…
多分…多分悠斗じゃなくて勇斗だと思う。」


話をさえぎってしまった。
「ゆうと」っていう名前の人は二人いる。



「…そなの!?…ごめんね。勘違いしちゃって」


「ううん。私こそ勘違いさせる様な事
しちゃってごめん。」


「佳菜は悪くない。本当に悪いのは…
私なの・・・」



急に梨佳の表情が変わった。

梨佳の表情見れば分かった。
きっといい話ではないんだな、と。


「大吾と…付き合うかもしれない…」



「・・・」

私は頭が真っ白になった。

でも…大吾を幸せに出来るのは
私じゃないんだ。

だからこれでいいのかも。


「そっか。で、梨佳はどうしたいの?」


「…梨佳は…佳菜がいいなら…」



もう…聞きたくないな。


「梨佳ならきっと大吾と幸せになれるよ!
もう大吾は私の事想ってないみたいだしね!」


「…それは違う。大吾ね、
塾で何回も佳菜の話するの。


昨日の塾ね・・・・・・・