急に雨が強く降りだした。

「さぁて。帰るか。」

沈黙を破ったのは光輝。

「走る?!」

出た。光輝の帰るときの口癖。

そう思うと笑みがこぼれる。

「え~ありえないし」

光輝はこんな私を不思議そうに見てる。

「じゃあ、行こっ!」

あ。。。そういえばまた傘忘れちゃったよ。。


光輝は私と一緒に傘なしで歩いてくれてる。

いいのに。自分は風邪ひいていいのかよ。

そういうのが光輝のズルいとこ。



と思ってると傘をひらいてさしてくれた。

「ぇ。。。」


んな、何でこんな事するかなぁ。


私は下を向いた。

見なくても分かったよ。

光輝は私がぬれないために自分がびしょびしょに

ぬれながらも傘をさしてくれてたんだよね。



ここから光輝とお別れだ。

「ここから走れ!」

光輝が見てるとこで走れる訳ないじゃんか。

「はいはい。」

といいながら歩く。

「走れって!」

うるさいなぁ。人の心配ばっかしすぎだよ


「おいー」

いい加減諦めたか?

後ろを振り返ると光輝が歩き出した。


【今までありがとう。】

手を振り替えしてくれるって思ってないけど

手をふって笑ってみた。


光輝は恥ずかしそうに下を向いて早歩きでいってしまった。

やっぱりね。。


光輝と会うのはこれで最後だった。


今までありがとう。