「いよいよ、文化祭当日だ!」
美亜は、胸を高鳴らせながら、朝の空を見上げた。
空はどこまでも青く、雲一つない、まさに文化祭日和だった。
クラスの演劇「ロミオとジュリエット」も、ついにこの日を迎えたのだ。
ジュリエット役の美亜は、舞台裏で、化粧をしながら、緊張と期待に胸を膨らませていた。
「美亜ちゃん、今日のジュリエット、とっても綺麗だよ!まるで、本物のカエル姫みたい!」
「カエル姫...?明里、それ、褒めてるの?」
「えへへ、もちろん!だって、美亜ちゃんは、いつもキラキラしてるんだもん!」
明里は、いつものようにふわふわとした笑顔で、美亜の頬を優しく撫でた。
そのつけまつ毛は、今日も元気に片方だけ垂れている。
美亜は、そんな明里の姿に、思わず笑ってしまった。
生徒会室のドタバタな日常が、まるで昨日のことのように思い出される。
直人のナルシスト発言、弘美のゲームネタ、そして明里の天然ボケ。
それら全てが、今の美亜にとっては、かけがえのない宝物だった。
「さて、そろそろ出番だよ!」



