「この演劇、とても楽しみなんですよ。叶さんのジュリエット、きっと素晴らしいものになるでしょう。あなたなら、きっと、どんな相手役でも、物語の世界に引き込めるはずです。」




 
 「そ、そんな...!私なんて、まだまだです。」





 
 「謙遜は、美徳ですよ。でも、自信を持ってください。あなたの演技は、いつも一生懸命で、観ている人の心を打ちますから。」
 






 如月先生の温かい言葉に、美亜は、顔を上げることができなかった。






まるで、太陽の光を直視できないひまわりのようだ。





その言葉は、美亜の心に、静かな勇気を与えてくれた。






生徒会室のギャグまみれの日常とは異なり、如月先生との会話は、いつも静かで、穏やかな時間が流れる。






美亜は、この時間が、ずっと続けばいいのに、と願った。