新年度が始まり、桜の花びらが風に舞う生徒会室は、いつものように騒がしかった。




高校2年生に進級したばかりの美亜は、黒髪ストレートの艶やかな髪を揺らしながら、新入生たちの騒がしさにため息をついていた。




左目の下の涙ボクロが、今日も彼女の美貌を際立たせている。






生徒会長である美亜は、この個性豊かなメンバーに囲まれ、日々ツッコミ役を買って出ていた。







 「ねえ、美亜ちゃん、見て見て!この桜、まるで綿あめみたいじゃない?」





 ふわふわした雰囲気の書記、明里が窓の外を指差してはしゃいでいる。







彼女のつけまつげが片方取れかけているのは、もはや日常の光景だ。






「綿あめ?明里、あれはただの桜だよ。それに、そんなに揺れてたらまたつけまつげ取れるよ。」








美亜の的確なツッコミに、明里は「えー、でも美味しそうなんだもん!」と、さらにボケを重ねる。