美亜は呆れたように、しかしどこか優しい声でツッコミを入れる。




明里は、お金の音にやたらと敏感で、その貯蓄能力は学園内でも有名(?)だったが、こと勉強となると、彼女の脳内はしばしば「ゲシュタルト崩壊」を起こしてしまうらしい。





 
 「えー、そうなんだー。でも、美亜ちゃんのツッコミって、なんかこう、うん、耳に心地いいんだよねー」





 
 明里は満更でもない顔で、美亜の頭を撫でようと手を伸ばす。






その瞬間、廊下からけたたましい声が響き渡った。