「どうかな。でも、明里や弘美、直人も、頑張ったんじゃない?」






 美亜がそう言った、その時だった。







生徒会室のドアが勢いよく開き、数学の如月が顔を覗かせた。






 「叶さん、ちょっといいかな。君の期末テストの結果なんだけど...」







 「え?」






 美亜は、如月先生の言葉に固まった。






まさか、満点ではなかったのか?それとも、何か別の、予想外の展開が待っているのだろうか。






直人は、その隙に、美亜の横顔をじっと見つめていた。






左目の下の涙ぼくろ。







いつもは、ただのチャームポイントだと思っていたが、今は、なぜか、その色っぽさが、彼の胸をざわつかせる。









 「...意外と、美亜って、モテるんじゃないか?」







 直人の独り言が、静かに生徒会室に響いた。









テストの結果発表、そして直人の秘めたる恋心。







秋の生徒会室は、まだ、色々な意味で、騒がしくなりそうだ。