美亜がそう声をかけると、明里は顔を覆い、小さく呻いた。
 




 「うぅ...数字を見ると...白目むいちゃう...。」



 
 「えっ!?数字で白目むくって、どういうこと?大丈夫?」
 




 「ほら、この予算表見て...1、2、3...あー!ダメだ!ゲシュタルト崩壊する!もう、何が何だか分からない!」
 





 明里は、数字が書かれた書類を前に、本当に白目をむきそうになっている。








彼女の数学嫌いが、ついにこんな奇行に走るレベルに達したのだ。美亜は、頭を抱えた。