電車の向こう側。【完結】

 外に出て、ひたすら走る。






走って、走って、何もかも通りすぎる景色。







車のネオンですら目に入らなかった。






 足音が夜の街に響く。
 電車は静かにホームに滑り込み、扉が開いた。







 中には誰もいなかった。
 まるで、彼を待っていたかのように。







 聖は一瞬だけ空を見上げて、呟いた。






止まれ…っ!




もう、止まってくれっ…!!








 「……時よ、止まれっ!!」






 次の瞬間、世界が金色に染まった。







 同じ夜、日本のどこかで、
 未来はイヤホンから流れるその曲を聴いていた。
 まるで、知らない誰かの祈りが音になったように——。