「そういえば…、ねえ聖!次の新曲、実はもう作ってたりするんでしょ?」
未来が尋ねると、聖はわざとらしくニヤリとして肩をすくめた。
「まあな。曲のタイトル、もう決まったんだ。」
「え、なに?!なに?!教えてっ!」
聖は、未来の耳に顔を近づけ、こっそり囁いた。
「 」
「ええっ……!? な、なにそれぇっ……!」
未来の顔が一瞬で真っ赤になる。
聖は楽しそうに笑って、カップを口に運んだ。
窓の外では、再び電車が通り過ぎる。
陽光がカウンターに差し込み、
ふたりの影をやわらかく照らした。
——「電車の向こう側」には、もう戻れないと思っていた。
けれど今は違う。
あの日の音が、今日の笑顔へとつながっている。
世界はどこまでも続く線路と電車ように回り続ける。
そしてふたりの物語も静かに、続いていく。
——Fin.



