窓の外を、ちょうど電車が通り過ぎていった。
その瞬間——ドアのベルが軽やかに鳴る。
「ごめん、未来!待たせた?」
振り向くと、そこにいたのは——結城聖。
少し大人になった顔。けれど、笑うとあの頃のままだ。
未来のスマートフォンの画面を覗き込み、
聖は気付いたように目を細めた。
「あー、……勝手に見るなよ、それ。」
「え、いいじゃない、ファンなんだもん。」
「ファンって……"彼女"が言うなよ。」
照れくさそうに頭を掻く聖に、未来は笑った。
どちらからともなく向かい合って座る。
カップの中で、ミルクの泡がはじける音がした。
それは、まるで新しい時間の始まりを告げるようだった。



