電車の向こう側。【完結】




それから数年後。




未来は大学を卒業し、社会人になっていた。
休日の午後、街のポスターに目が止まる。



《"結城 聖" ピアノコンサートツアー》





名前を見た瞬間、心臓が跳ねた。

どこかで、聞いた名前。

どこかで、確かに呼んだ名前。





けれど記憶は霞のように曖昧だった。





「どうしてだろう……この人のピアノ、なんだか懐かしい気がする…。聴きたい。」







未来はチケットを予約した。