電車の向こう側。【完結】







静けさが二人を包む。
やがて未来が、小さな声で言った。







「ねえ聖くん、もし記憶をなくしても、私たち、また出逢えるかな?」




「出逢えるさ。絶対な。」



「なんで?」



「根拠なんていらない。……だって俺は、未来の名前、もう忘れられないから。」




未来は目を閉じた。

涙が頬を伝う。






「もしまた出逢えたら、その…私の、名前を呼んでくれる?」



「あぁ。必ず呼ぶさ。」






聖は未来の手を強く握った。

その瞬間、車内に柔らかい光が満ちた。







「なんだか……眠くなってきたね。」



「未来、眠っていいよ。目を覚ましたら——きっと、世界が動いてる。」





未来は微笑みながら、瞼を閉じた。

そして聖も、静かに目を閉じた。

金色の電車は、光の中を走り続けた。