電車の向こう側。【完結】






金色の電車は、音もなく走っていた。
窓の外には、見たことのない景色が流れていく。
青でもなく、白でもなく、
まるで夢の境目のような、オーロラのように輝く、淡い光の世界だった。





未来はシートに座り、聖の肩にもたれていた。
胸の奥で、かすかに電車の揺れが響く。





「ねえ、聖くん…。」

「ん?」

「私たち、戻れるのかな…?」




未来の声は震えていた。

聖は少し考えてから、答えた。







「お前が言ったんだろ。でも……戻れなくても、もう後悔はしない。」

「聖くん?」

「まぁ、未来に会えたからな。」





未来は笑って、目を伏せた。






「……ずるい言い方。」


「本当のことだ。」







車内の照明が、ゆっくりと暗くなる。




窓の外の景色も、次第に淡い金から深い夜の色へと変わっていった。