電車の向こう側。【完結】






音楽室を出ると、廊下の窓の外に夕焼けが広がっていた。
けれど、空の端が、ひび割れていた。



まるでガラスを爪で引っかいたような、細い線。
風が吹くたび、その亀裂がかすかに広がっていく。







「……ねえ、聖くん。あれ、なんだろう。」



「わからない。でも、——この世界の終わりが少しずつ始まっているのかもな。」


「それって…!」







二人はその光景を黙って見つめた。
沈みゆく陽の中で、
未来の髪が、金色に染まっていた。