電車の向こう側。【完結】






通学路。





歩き慣れた道を歩くと、いつもの顔ぶれがいた。

ジョギングをしているおばさん、犬の散歩をするおじさん、そして仲睦まじい老夫婦。

全員、昨日と同じように笑っている。

だけど、昨日——確かに未来は、あの老夫婦が金色の電車に乗っていたのを思い出した。




「…あ、あの…!昨日…」






老夫婦は未来が話しかけたのを見て、「おはようございます。」と穏やかに会釈をするのみだった。





それは本当に、いつもの朝の光景だった。

「未来ー! おっはよー!」






後ろから声がかかった。

振り向くと、親友の茉希が駆け寄ってくる。

肩にかけた鞄が少しずり落ちていて、髪には寝癖がついていた。





見慣れた光景。だけど——やはりどこかおかしい。