電車の向こう側。【完結】

小学生の頃から、未来はずっとそうだった。







 クラスで誰かが告白したとか、人気者が転校してきたとか、そんな話題が出るたびに、少し距離をとっていた。








 "ああはなりたくない。"




 "平凡でいい。"




"ずっと変わらないままでいたい。"








 そう思いながら、ずっと“波風のない海”の中を生きてきた。









 だけど——
 その静かな海の底で、彼女だけが気づかないうちに、
 ゆっくりと潮の流れが変わり始めていた。