電車の向こう側。【完結】

翌朝。






 登校途中の道で、老夫婦の姿が見えなかった。

 いつもいるはずの場所に、誰もいない。




 「珍しいなぁ……」



 未来は足を止める。胸の奥が、かすかにざわついた。













 その日の放課後、教室で誰かが叫んだ。






 「ねぇ! ニュース見た!? 結城聖くんが——」





 未来の手からペンが落ちた。

 窓の外で、どこか遠くの空が、金色にきらめいた気がした。