「もう聖女じゃないから私のこと必要ないの?」
エルーナはマリジェッダを見上げる。
「普通の私じゃダメなの?」
「エルーナ……」
エルーナは更にマリジェッダに近づこうとすると足を滑らせた。
短い悲鳴が上がる。
マリジェッダはエルーナを受け止めようとしたが、踏み込んだ足がスライムで滑った。
エルーナはマリジェッダを道連れに転んだ。マリジェッダはエルーナの下敷きになる。
「ごめんね。痛いでしょ」
マリジェッダは右手で顔を隠したまま笑い出した。
「マリジェッダ?」
「良いよ」
「え?」
「普通のエルーナが良い」
聖女を国から連れ出したことで大目玉を食らったらしいマリジェッダ。
マリジェッダはエルーナが聖女に戻ったと思ってエルーナから身を引いたらしい。
「この通りスライムしか出ないわ」
「なんであの時、戻ったんだろうな」
「さぁ? 一度きりの奇跡かもね。でも……」
マリジェッダの手を取るエルーナ。
「相手がマリジェッダじゃなきゃダメだったと思うの」
何となくエルーナの中で原因はわかっているが、言っていることは事実だ。
エルーナは涙を流している間だけ聖女に戻れる。
普段は呪いで泣けないから本当に大切な人にしか使えない力なのだろう。
だが、秘密にすることにした。
前にマリジェッダが聖女に戻れても秘密にすると約束もしたし、それを守ろうと思う。
ずっと一緒にいたいからマリジェッダにも今は秘密だ。
エルーナは花のように微笑んだ。
それを見てマリジェッダも柔らかく微笑んだ。
その後、スライムでべたべたになった体で校内を歩くのはこんなに恥ずかしいのかとエルーナは知った。
エルーナはマリジェッダを見上げる。
「普通の私じゃダメなの?」
「エルーナ……」
エルーナは更にマリジェッダに近づこうとすると足を滑らせた。
短い悲鳴が上がる。
マリジェッダはエルーナを受け止めようとしたが、踏み込んだ足がスライムで滑った。
エルーナはマリジェッダを道連れに転んだ。マリジェッダはエルーナの下敷きになる。
「ごめんね。痛いでしょ」
マリジェッダは右手で顔を隠したまま笑い出した。
「マリジェッダ?」
「良いよ」
「え?」
「普通のエルーナが良い」
聖女を国から連れ出したことで大目玉を食らったらしいマリジェッダ。
マリジェッダはエルーナが聖女に戻ったと思ってエルーナから身を引いたらしい。
「この通りスライムしか出ないわ」
「なんであの時、戻ったんだろうな」
「さぁ? 一度きりの奇跡かもね。でも……」
マリジェッダの手を取るエルーナ。
「相手がマリジェッダじゃなきゃダメだったと思うの」
何となくエルーナの中で原因はわかっているが、言っていることは事実だ。
エルーナは涙を流している間だけ聖女に戻れる。
普段は呪いで泣けないから本当に大切な人にしか使えない力なのだろう。
だが、秘密にすることにした。
前にマリジェッダが聖女に戻れても秘密にすると約束もしたし、それを守ろうと思う。
ずっと一緒にいたいからマリジェッダにも今は秘密だ。
エルーナは花のように微笑んだ。
それを見てマリジェッダも柔らかく微笑んだ。
その後、スライムでべたべたになった体で校内を歩くのはこんなに恥ずかしいのかとエルーナは知った。

