呪われて謎のスライムしか出せなくなった聖女の進路先

その数日後、エルーナとマリジェッダの婚約破棄は正式に受理されたらしい。
エルーナの父はグチグチ文句を言っていた。
エルーナは神殿に呼び出された。
大広間に通されると神殿長と神官長がいた。

「君は隣国で神聖力を使ったそうだね」
「……」

エルーナは答えなかった。この人たちの思惑を知りたかったからだ。

「今、レーノルザンと大問題になっていてね」

国を出ても大丈夫だとエルーナを見捨てたのはこの国だ。何が問題なのだろうと思うエルーナ。

「その事で君は罪に問われることはない。本当に貴女が聖女様かどうか確かめるために、私達に神聖力を見せてくれないか?」
「いいえ、私は聖女じゃありません」

エルーナは黒いモヤを出して微笑む。

「私は――」