呪われて謎のスライムしか出せなくなった聖女の進路先

朝は冬休みの課題を片づけるための勉強会をした。

「マリジェッダって頭良いのね」

エルーナとマリジェッダの課題の進み具合が全然違った。

「学年で万年三位だけど」

エルーナは成績上位の二人を思い浮かべてみる。

「あ、優等生のあの二人、付き合ってるって噂よね」
「聞いたことないな」
「じゃあ、ただの噂なのかもねー」
「そうかもな。それよりそろそろ出かけよう」

マリジェッダが置き時計を見ながら言う。

「よし! 課題あんまり終わらなかったけど行こう」

エルーナは課題は最終日に持ち越す派だ。
別宅を出て歩いていき、家の前につけておいた馬車に乗る。

「外国の市場だから珍しい物がたくさんありそうね」
「そうだな。人も多いし、はぐれないようにしろよ」
「ふふ、子供扱いね」

エルーナはマリジェッダの手を握った。

「じゃあ、こうすれば良いのよ」

マリジェッダは一瞬驚いたようだが、微笑みながら頷く。耳が赤い。
エルーナの感覚ではマリジェッダもエルーナに対し、まあまあ好感度は高いと思う。
その事について星を見ながら聞いてみようと思うエルーナ。

(ああ、いけない。何かドキドキしてきた)