呪われて謎のスライムしか出せなくなった聖女の進路先

「ん? スチュアートか? また背が大きくなったね」
「はい。カミラ伯母さん」
「あら! あらあらあら!」

カミラと呼ばれた女性はエルーナをじろじろ見ながら周りを一周した。

「スチュアートが女の子を連れてるねぇ! そうか連れとは女の子だったんだね」
「あの、はじめましてエルーナ・イズンと申します。少しの間お世話になります……」

エルーナが挨拶をしているとカミラは質問してきた。

「あんた、話に出てたけど変なもん持ってるね」
「見ただけでわかるのですか?」
「ややこしいね。まぁいいか。狭いけど中入る?」
「はい」
「お邪魔します」

カミラに促されて小屋に入るマリジェッダとエルーナ。
ガラスの瓶や吊るされた干し草、用途不明の道具、水晶の原石などが雑多に並んでいる。

「イスが足りないね」

カミラは部屋を仕切るカーテンの向こうに消えた。

「倉庫みたいだろ」
「いえ、雑貨屋みたいよ」

カミラが背もたれのないイスを一脚持ってきた。

「はい、これに座る」

再びカミラはカーテンの向こうに消えた。

「座ろう」

マリジェッダが座ったのでエルーナも座る。
カミラは今度、お茶を出してきた。
マリジェッダが飲みはじめた。それに習いエルーナもお茶を飲んだ。

「美味しい」

マリジェッダがお茶を堪能しているエルーナ見て微笑んでいる。その様子をカミラがニヤニヤと見ている。