雷の道「十五年ぶりの故郷で、初恋の彼女と再会した六日間」 ──記憶と現在が交差する、静かな再生の物語。

玄関が開く音。
ざくざくと走る足音。
門に手をかける。
鉄のきしむ音。
いっぱいに開かれる。
足音が高鳴る。
大きくなる。
早くなる。
手を広げる。
いっぱいに広げる。

激しい閃光。
胸に飛び込んでくる。
美沙岐を抱きしめる。
強く抱きしめる。
柔らかい身体。
甘い髪。
細い腰。
壊れそうな背中。

玄関から男が追いかけてくる。
美沙岐は僕の手を取る。
急いで車に乗り込む。
アクセルを踏み込む。
バックミラーに男の姿が映る。

その姿が段々と小さくなる。