「二人とも若い。中学生ね。
この写真の自分に何か言ってあげるとしたら何て言う?」
僕は小夜子さんの持っていたスナップを手に取った。
美沙岐に絶望的に恋をしていながら、なすすべもなくただ無力で戦うことを全放棄したような表情の僕。
「機会は巡ってくる。今じゃない、ですかね」
「今も彼女に恋をしてるのね」
「どうやらそうみたいです」
「遠くに来てしまったけど、それでも今、あるもの。それが全てよ」
「昔はとてもシンプルだったけど、今は状況も自分自身も複雑になりすぎて、どこから手をつけていいのか」
「状況はとても単純よ。目の前に女が居る。生身の生きてる女が。それだけよ」
「そうですね。彼女は生きている」
結局僕は、十五年という長い間、壁の外側に逃げ出していたんだ。
今更その中に入って、とやかく言う権利はない。
物事は絶え間なく動いていたって事さ。
僕抜きで。
外に出ると雷鳴が遠くから聞こえた。
僕はクルマを出した。
行くべき場所は一つしかない。
行くべき場所は最初から決まっていたんだ。
この写真の自分に何か言ってあげるとしたら何て言う?」
僕は小夜子さんの持っていたスナップを手に取った。
美沙岐に絶望的に恋をしていながら、なすすべもなくただ無力で戦うことを全放棄したような表情の僕。
「機会は巡ってくる。今じゃない、ですかね」
「今も彼女に恋をしてるのね」
「どうやらそうみたいです」
「遠くに来てしまったけど、それでも今、あるもの。それが全てよ」
「昔はとてもシンプルだったけど、今は状況も自分自身も複雑になりすぎて、どこから手をつけていいのか」
「状況はとても単純よ。目の前に女が居る。生身の生きてる女が。それだけよ」
「そうですね。彼女は生きている」
結局僕は、十五年という長い間、壁の外側に逃げ出していたんだ。
今更その中に入って、とやかく言う権利はない。
物事は絶え間なく動いていたって事さ。
僕抜きで。
外に出ると雷鳴が遠くから聞こえた。
僕はクルマを出した。
行くべき場所は一つしかない。
行くべき場所は最初から決まっていたんだ。

