小夜子さんは厨房を出て僕の隣に座りアルバムをカウンターの上に置いた。
一ページ目をめくると若い小夜子さんが現れた。
「これはね、二十歳の頃かな」
そのどれもがプロの撮った商業的な写真だった。
ブランド物の服とキッチリとしたメイク。
背景には小夜子さん以外誰も写ってはいない。
完璧だった。
無いのは親近感だけだった。
「コマーシャルフォトですか?」
「そうね。どこかの。
でもどこかは全部忘れたわ。
こういう写真を何万枚も撮ったの。
それが仕事だったから。
こういうことを長い間やってるとね。
本当の自分が無くなっていくのよね」
「本当の自分?」
一ページ目をめくると若い小夜子さんが現れた。
「これはね、二十歳の頃かな」
そのどれもがプロの撮った商業的な写真だった。
ブランド物の服とキッチリとしたメイク。
背景には小夜子さん以外誰も写ってはいない。
完璧だった。
無いのは親近感だけだった。
「コマーシャルフォトですか?」
「そうね。どこかの。
でもどこかは全部忘れたわ。
こういう写真を何万枚も撮ったの。
それが仕事だったから。
こういうことを長い間やってるとね。
本当の自分が無くなっていくのよね」
「本当の自分?」

