雷の道「十五年ぶりの故郷で、初恋の彼女と再会した六日間」 ──記憶と現在が交差する、静かな再生の物語。

「あの子達が言ってたの。立花ジュンでしょ?」

「図書館カップル?」

「この町の出身か気にしてたでしょ?
親の卒業アルバムをひっぱりだしたみたいよ。
好奇心旺盛だから。あの年代は」

「好奇心に年代は関係ないでしょ?」

「そう?衰えるものよ。私くらいの年齢になると」

「小夜子さんはいくつなんですか?」

「女性に年齢を聞くなんて失礼ね。
でも隠すほどのものでもないから、一回りくらい上とだけ答えておきましょう」

「もっと若く見えました」

「それはどうも。
何も出ないけど。
でも写真くらいなら見せてあげてもいいわ。
これでもモデルだったの」

小夜子さんは棚に立てかけてあったアルバムを手に取った。

「別に見せびらかすつもりじゃないのよ。
あの子たちにせがまれて家から持ってきたの。懐かしくなって」