雷の道「十五年ぶりの故郷で、初恋の彼女と再会した六日間」 ──記憶と現在が交差する、静かな再生の物語。

美沙岐の中に入ったとき、特別な気持ちになったんだよね。
今までのどんな誰かと比べる間もなくわかる特別な気持ちに。

僕は何度も確かめたんだ。
色んな場所を色んな方法で。
そして実感と実像を伴って理解できた。
間違いない、ここは正しい場所だと。

美沙岐の視線の先に僕が居る。
僕が居て未来がある。
正しい方向に向かっていると。


夜中に会社からメールがあった。
僕は美沙岐が目を覚まさないようにベッドから出てスマートフォンを手に取り洗面所に向かった。
非現実的なホテルの空間で読む現実的な仕事のメール。
休みなのに容赦がない。

僕の休暇も日曜日で終わる。
月曜日からはスタッフが増員され成果が求められる。

サラリーマンはそういう世界で生きている。