雷の道「十五年ぶりの故郷で、初恋の彼女と再会した六日間」 ──記憶と現在が交差する、静かな再生の物語。

僕は見取り図と一緒に、公図を見せた。
公図というのは土地の所有権の区割り図みたいなものだ。
計画地には何人かの土地所有者がいるのだが、公図に水路が記載されていない。
そして所有者も権利者も不明なのだ。
お互い公図を囲んで頭をつきあわせた。

「昨日、現地に行きましたが確かに水路がありました。しかも死んでない。実際に生きている、使用されている水路です。水がじゃんじゃん流れていた。ザリガニまで居た。でも法務局にある公図にも登記簿謄本にもその所有者は記載されてない。こういう場合、ご承知でしょうが、市役所の管轄となる。だけど昨日市役所で調べましたが、市役所も管理していない。水利組合の一覧をもらったけど、市役所ではそれ以上の事はわからない、ということです」

「まあ、よくそこまで調べたな。ただ、わしも詳しいことはわからない。ただし、つてが無いわけではない。少し時間をくれ。調べてみる。ところで洋介の結婚式には来るのか?」

僕はあいまいに首をふった。

そして洋介が結婚することにとても驚いた。