雷の道「十五年ぶりの故郷で、初恋の彼女と再会した六日間」 ──記憶と現在が交差する、静かな再生の物語。

二年生の冬、学校の帰りに偶然一緒になって海に誘った事。
二人で肩をならべて海岸線を歩いたこと。
そこで告白したこと。
なかなか返事がもらえず担任の別府に相談したこと。
三年生の春から付き合い始めたこと。
結衣の親が厳しくて大学に入るまで男女交際を固く禁じられていること。
仕方なく放課後の誰も居なくなった教室で会っていること。
それが最近、三年の新しい担任に見つかりそうになって会う場所に困っていること。
洋介は初めて聞いたという風にうなずいた。

「うちに来なよ」と言ったんだ。
「ダブルデートをしよう」と。

洋介の家は噂通り大きな家だった。
屋敷、と言った方がしっくりきた。
屋敷というのはこのための言葉だと思った。
最初は洋介の部屋で過ごした。
宿題をしたりゲームをしたりして。
午前中、二時間か三時間はそういうふうに過ぎていった。
昼を過ぎると洋介とエリカは部屋から出て行った。

「用事があるから出かけてくる。夕方まで戻らないし、夕方まで家のものは誰も帰ってこない」
そう言うと洋介はこっそりと僕にコンドームを手渡した。
上手くやれよと目で言いながら。