翌日、私はいつもより早く起きた。昨日寝落ちしたからだ。

いじめのことを思い出していたら辛くなって、布団の中で泣いた。

コンコンコン

「柚月ちゃん、回診だよ。」

私は急いで涙を拭き、顔に笑みを貼り付けて座る。

「っ…おはよう。」

目、腫れてるよね。気づかないふりしてくれているのは先生の優しさだろう。

「診察するよ。体温測ってね。」

体温計を挟む。その間本田先生と紗奈ちゃんは血圧測ったり点滴を変えたり。

pipipi♪

36.5度だった。他にも特に異常はなかったようだった。

「月斗には、胃潰瘍だったことしか言ってないから安心して。」

いじめられていたなんて月斗にぃが知ったら…

「わかりました。」

先生たちは部屋を出て行った。