芳沢くんは私に堕ちない


「顔整いっていう面では恋杏と同じだけど、性格は正反対だよね」

なんて、美遥も容赦なくチクチク言葉を混ぜて言う。

相手が心の優しい私でよかったよね。

自己肯定感が高い私だから平気だけど。
普通の人なら泣いてるよ。

「あ、ねぇ、恋杏、次は芳沢くん狙ってみたら?」

「……はい?」

美遥が頬杖をつきながらニヤついて言う。

「だって恋杏、つまんないのが、嫌なんでしょ?」

「まあ……そうだけど」

思わず曖昧に返すと、美遥はさらに口角を上げて続ける。

「ほらちょうどいいじゃん。絶世の美女・園田さんにもなびかなかった芳沢くんを、恋杏が落せるか。ほら、面白そうじゃん」

「いいね、いいね!なんか恋リア見てる気分になる!」

と真央もノリノリで頷く。

このふたり……私のことなんだと思っているの。

「恋リアって……私の恋愛は見せ物じゃないんだから……本気なの!もう……」

と、呆れたようにため息をつくと「はっはーん」と美遥が私の顔を覗き込むように近づけてきた。

「自信、ないんだ?」

「なっ……」

ムカッ。