芳沢くんは私に堕ちない


「「青山くんと別れた!?」」

翌日のお昼休み。

いつメンの美遥(みはる)真央(まお)に、青山くんと別れたことを伝えたら、ふたりとも目をまんまるにしてこちらを見つめていた。

「今度は半年持つかな〜って思ってたんだけどな」

「結構仲良くやってたのに。青山くんでもダメなの?」

「うん。だってつまんないんだもん」

私はそう言って、黒塗りのお弁当箱に入った卵焼きを一口頬張る。

「でた〜ほんっと、相変わらずのお嬢様」

「さすがの青山くんも、恋杏ちゃまのわがままには愛想つかしたか」

とふたりの容赦ない言葉に、私は口を尖らせる。

「今回も私が振ったんだもん!3ヶ月もこの可愛い恋杏とお付き合いできたんだから、一生の思い出よ!」

一方的に私を好きだと告白してきたのは向こうなのだから、不満があって別れを切り出すのは当然の権利。

「そんな弁当食べるお嬢さまからしたら、庶民の男がつまんないのも当然よね」

「青山くん、かわいそう」

なんて、ふたりは呆れたように相槌を打って食事を再開した。