「そういえば怜央って、私と誕生日一ヶ月差なんでしょ?いつなの?」
「そういえば引っ越す時にお互い忙しくて出来てなかったね。俺は三月四日。莉咲は?」
「んー、私は四月三日。……って、誕生日似てる!」
「だね。数字ひっくり返してる」
おもしろ〜とお互い笑っていると戻ってきたお母さんと連太郎さんが二人仲良く座っている。
相変わらず仲のいい夫婦だなぁ……。
『莉咲ちゃん、どうだい怜央は』
「料理が上手ですよ。いつでも婿に行けそうですし」
「うん。なら、莉咲に貰ってもらおうか」
『あら〜、それ良いわね。でも、姉弟は結婚できないしねぇ……』
電話で私が怜央を貰う話が段々途切れ始めてきた。
よし、この調子!耐えて〜!
「ご心配なさらず。血縁関係がなければ結婚はできます」
『そう。なら、莉咲、絶対に怜央くんを貰うのよ!』
戻っちゃった……。
ピタリとご飯を掬おうとしていた手が止まる。
血縁関係があろうがなかろうが、弟と結婚するのは100%ないね。
「あ、里香子さん、少し用事あるから、今日はここで切るね。また明日」
『? ええ、また明日』
プツリといきなり切れた電話に目をパチクリさせる。
