* * *



「ただいま〜」

「おかえり、莉咲」


 靴を脱いで玄関からそう言うと穏やかな声が返ってきた。

 今日は怜央が夕飯を作るらしい。それを示すように制服の上にエプロン、それに片手にはコーンと人参、ブロッコリーを炒めてる。


「今日はハンバーグってところ?」

「すごい、何でわかったの?」

「うーん、炒めてる具材でお肉類の野菜って分かるでしょう? だから、大体ステーキかハンバーグらへん。そんな感じ?」

「すごい、名探偵だ」


 パチパチ、と小さく拍手をしてくれる。

 控えめイケメンなのは納得するけど、やっぱり嫌。

 アイスも何だか献上しないといけないみたいだし、どこの部活ですか!?ってぐらいに夕食作りを変わってあげないと!ってなる。

 自分の時間があんまり取れないのがデメリット。


「私着替えてくる。夕飯できたら先に待ってて」

「わかった」


 自室で机に荷物を置き、ラフすぎる服装に着替える。ラフと言うより、半袖短パンの薄着かも。

 お母さんに「風邪ひかないよーにねー」と言われているけれど、今は一人暮らし!やっても良いじゃん!


「おまたせ~。あ、もう出来上がってる!」