「ただいまー」って言っても、誰も反応しない。
当然「おかえり」なんて返ってこない。だって家には誰もいないんだから。
部屋にはお酒のにおいと化粧品のにおいだけが漂っている。
ーーどうして、いつもこうなんだろう。
玄関のチャイムが鳴った。
インターホンから聞こえる声は、母・麻美に向けられたものだった。
「篠宮麻美さんですか?」
ーー神崎組の現若頭、神崎勝也。
涼風は心臓が跳ねる気がした。誰だかわからないのに、その声だけで圧迫される。
恐る恐るドアを開けると、勝也は静かに立っていた。
「……あ、あの。だ、誰ですか?……」
声が震える。
「俺は神崎勝也。篠宮麻美さんに用があって来たんだが…」
「君は誰だい?」
「あたしは篠宮涼風。篠宮麻美はあたしのお母さん」
「なるほど。娘さんか。お母さんに用があるんだが、不在のようだな……」
勝也の声は冷静で落ち着いているが、どこか威圧感がある。
「……あ、そうですか……」
あたしは小さくそう言うと、思わず一歩下がった。
胸がドキドキして、手のひらが汗でしっとりする。
勝也は一瞬、涼風を見つめたまま黙っていた。
ーー息を飲むような静けさ。
その視線だけで、危険と重圧を感じる。
突然、彼はこう言った。
「すまないが、上がってもいいか?」
いきなりのことで、あたしはパニックになった。
「えっ⁉︎あの…その…えっと」
「あっごめんごめん。変なことはしないから、ただ中を見たくて」
「あっそうなんですね!ごめんなさい!でも今、ちょっと散らかってて…」
「それでもいいなら、どうぞ」
変なことはしないって言ってたから、大丈夫だよね?
「ありがとう」
当然「おかえり」なんて返ってこない。だって家には誰もいないんだから。
部屋にはお酒のにおいと化粧品のにおいだけが漂っている。
ーーどうして、いつもこうなんだろう。
玄関のチャイムが鳴った。
インターホンから聞こえる声は、母・麻美に向けられたものだった。
「篠宮麻美さんですか?」
ーー神崎組の現若頭、神崎勝也。
涼風は心臓が跳ねる気がした。誰だかわからないのに、その声だけで圧迫される。
恐る恐るドアを開けると、勝也は静かに立っていた。
「……あ、あの。だ、誰ですか?……」
声が震える。
「俺は神崎勝也。篠宮麻美さんに用があって来たんだが…」
「君は誰だい?」
「あたしは篠宮涼風。篠宮麻美はあたしのお母さん」
「なるほど。娘さんか。お母さんに用があるんだが、不在のようだな……」
勝也の声は冷静で落ち着いているが、どこか威圧感がある。
「……あ、そうですか……」
あたしは小さくそう言うと、思わず一歩下がった。
胸がドキドキして、手のひらが汗でしっとりする。
勝也は一瞬、涼風を見つめたまま黙っていた。
ーー息を飲むような静けさ。
その視線だけで、危険と重圧を感じる。
突然、彼はこう言った。
「すまないが、上がってもいいか?」
いきなりのことで、あたしはパニックになった。
「えっ⁉︎あの…その…えっと」
「あっごめんごめん。変なことはしないから、ただ中を見たくて」
「あっそうなんですね!ごめんなさい!でも今、ちょっと散らかってて…」
「それでもいいなら、どうぞ」
変なことはしないって言ってたから、大丈夫だよね?
「ありがとう」
