「どんな願いでも聞くよ」 「私を……あの桜の木だと思って、また、思い出してほしい。 私が願った裕紀への思い、託した未来の、すべて。」 「私は、桜の木と同じ…。だって、名前が"美しい桜"で、美桜でしょ?」 にこりとはにかむ美桜の唇が、微かに震えた。 「毎年……この季節に逢いに来て。」 「ここに来るたび……」 「私があなたを見守ってると思って、」 風に揺れる桜の花びらが舞い落ちる中、美桜の言葉は優しくも悲しく響いた。 裕紀は言葉を失い、ただ彼女の手を握り締めた。