「知ってるよ」 その言葉に美桜は顔を上げた。 裕紀の表情に怒りも憐れみもなく、ただ静かな理解だけがある。 「君がどれだけ悔しいか、どれだけ怖いか……」 裕紀の指が彼女の濡れた頬を拭う。 「僕が、全部受け止める」 「うそよ……」 美桜は震える唇で否定する。 「こんなの耐えられるわけ……」 「耐えてるよ」 裕紀はきっぱりと言った。 「でも僕たちは…、耐えるためじゃなく生きるためにここにいるんだ」