さくらびと。美桜 番外編(2)

講義が終わると同時に裕紀は荷物をまとめて教室を飛び出した。






走り出したい衝動を抑えて早足で廊下を抜ける。




途中で同期の女子医学生とぶつかりそうになった。







「あれ?裕紀くん珍しいね。いつも冷静な裕紀くんが慌ててるなんて」








「ごめんね。急いでるんだ」







短く謝罪して階段を駆け上がる。







エレベーターを待つのも煩わしく感じた。







地下駐車場に到着するとBMXの愛車のキーを取り出し、エンジンをかけてアクセルを踏み込んだ。








「あと十五分で着く。美桜、待ってて。」








祈るように呟きながら車を走らせる。







信号待ちの間に携帯をチェックしたが彼女からのメッセージはない。






それが余計に不安を煽った。