しかし、時は流れ季節が移ろうにつれ状況は変わってきた。 裕紀は五年生になり臨床実習が本格化し、土日も学会や研修会で埋まるようになった。 美桜も論文の締め切りが迫り研究室に泊まり込む日が増えた。 「最近全然喋れてない気がする……」 夜遅く帰宅した裕紀がベッドに入ると、隣で寝ていた美桜がぽつりと言った。 「そうだね……」 短い会話の後に訪れる沈黙が重苦しく感じるようになった。