さくらびと。美桜 番外編(2)






言葉にしてしまった瞬間、すべてが解放されたように感じた。この瞬間のために生きてきたのかもしれないと思うほどに。






顔がくしゃくしゃになる。美桜は泣きながら笑っていた。





「バカ……なんで今言うのよ」





「ごめん。でも今しかないと思ったんだ」







雨の中、傘の下で二人は長い抱擁を交わした。





お互いの体温を感じながら、それぞれの喪失と新たな始まりを共有していた。






「ねえ」





美桜が顔を上げる。その瞳には希望の光が宿っていた。







「これからどうしようか」






「一緒に生きていこう。お父さんの思い出も大切にしながら」





彼女は静かに頷き、そして言った。






「ありがとう……裕紀」






雨は上がり始めていた。雲の隙間から差し込む光が二人を包み込み、まるで祝福しているかのようだった。