兄妹を超えた恋

睦が答えた。
「確かにつんとくる臭いがしたもんね。煙草の臭いもしたし。」
美海が言った。
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
「やぁ、みなさん。日本史クラスへようこそ。きっと、みなさんは社会が好きだろうと思います。では、手始めに日本史テストをしたいと思います。これから配るものをやってください。出来た人から持ってきてください。その人から、順番に授業終わりです。」
山本比呂(ヤマモトヒロ)先生が言った。
~10分後~
「終わりました、先生。」
美海が最初に席を立って、先生に提出しに行った。
「おや、浅田君には簡単すぎましたかな?でも、それにしては時間がかかりましたねぇ。もう少し早く終わると思ってました。この場で採点して返しましょうか?有川君はまだですし…でも、彼女ももうすぐ終わりますね。まぁ、どうせ満点は決まっているでしょう。ケアレスミスさえしなければ…の話ですけど。」
山本先生が意地悪くニヤリと笑った。
「先生、私間違えた自信ないですから。」
超笑顔で美海が言った。
「そうですか…では、満点を楽しみにしています。」
山本先生がニコリと笑った。
「有川睦、ただいま終わりましたッ!はい、山本先生。では、帰りまーす。ありがとうございました。」
睦が山本先生に言った。
「はい、確かに頂きました。あ、有川君!」
山本先生が睦を呼んだ。
「…なんですか?」
睦が聞くと、
「夜、楽しみにしとけよ?じゃなきゃ俺がつまらん。わかった?睦。」
と意地悪な顔をして睦にぼそっと耳打ちした。
「…はい、わかりました。書類集めときます。」
睦が顔色一つ変えずに行った。
「よろしくお願いします。では、もう行っていいですよ。お疲れ様でした。」
山本先生はそういってまた、体を前に直した。