君と始める最後の恋

「わかった、郁はこっちで拾ってくからいいよ。それじゃあ、週末ね。」


 そう言ってそのまま電話を切られてしまった。

 ムカつく…、勝手に人の予定決めちゃって、誰のせいで悩んでたか、分かってますか。言いたい事は沢山あるのにどれも言えない。


「あの!私予定あったんですけど!」

「ああそう、それは悪い事した。」

「思ってないくせに!」

「思ってない、だって予定あるとか嘘でしょ。 」


 一ノ瀬先輩の言葉に何も言い返せない。

 それに車で拾ってくとか勝手な事決めないで。私は今、先輩とふたりきりになりたくない。諦めろって言うならそうさせてほしいのに、何でこの人は私に関わってくるのか。


「…沙羅が君に会いたがってる、兄さんも。俺の事は嫌かもしれないけど、そこだけは避けないでやって。俺とふたりが嫌なら、やっぱり兄さんに拾ってもらうよう頼むし。」


 先輩が、嫌じゃないんですか。私まだまだ貴方の事好きなんですけど。諦めろって言っていたじゃないですか。郁なんて名前呼びまでまだ続けて、ずるい。

 こんなことでまだときめいちゃう自分もすごく嫌。


「我儘ですよ、先輩。」

「なんとでも言って。今週末、ちょっと遠出だから朝から迎えに行くから、家の住所か、迎えに来て欲しい場所送っておいて。」


 そう言って私の手にスマホを渡してそのまま離れていく。

 本当、我儘で自己中。

 やめとけとか言いながら沙羅さんの事は避けないでとか、避けないと先輩に会っちゃうじゃないですか。何がしたいんですか、先輩。