君と始める最後の恋

「君はさ、まだ俺と働いている時何でも出来る様に見えてた?」

「…見えて、ましたけど。」


 急な質問に少しだけ驚いた。何の話なんだ、急に。


「だったら、俺はちゃんとずっと見栄を張れていたんだと思う。」

「どういうことですか?」

「いつも君は俺を何でも出来て凄いとか言って持ち上げるけどさ、実際は1人なんかじゃ何も出来てないんだよ。君に格好良い所見せられている代わりに周りにその分ダサい所も見せて頼ってる。」


 そんな類くん想像が付かない。
 私に助けてとかそんな風に言ってきたことない。

 仕事では私がやるべき事を淡々と振って、いつも誰かに頼られている所しか見なかった。

 そんな類くんが格好良くて、同時に何でもできる類くんが羨ましかった。


「家事と育児は、君が頑張って俺に負担がかからない様に普段動いてくれるんだから、たまに張り切って動いて出来るのは当然。動けるのは、君が寝不足で頑張って俺を寝かせてくれるから、でしょ。」

「そんなの、当然です!職場で倒れられたら私…。」


 私達の為に働きに出てくれているのに、私が何もしない訳にはいかない。育児はともかく、家事の事で負担を掛けたくはなかった。