君と始める最後の恋

「…私が類くんと比べてしまって、自分が自分で嫌になったんです。」

「どういう意味?」

「類くんは仕事でも家事も育児も何でも出来て、私は仕事していないのに、家事か育児かしか出来なくて、私居なくても類くん1人で出来るじゃんとか。

部長に専業主婦にさせてもらってよかったなって言われたけど、それも家庭環境のせいで嫌って思ってたはずなのに、専業主婦でも何も出来ていない不甲斐なさとか。類くんも、私が何も出来ないから家に居させるようにしたんじゃないかとか、余裕の無さでそんな最低な事考え始めて。」


 私の情けなくて卑屈な気持ちを何も言わず黙って聞いている。
 こんなの聞きたくないに決まっているのに。

 類くんは怒るも悲しむもするわけでもなく、真剣な表情で私の言葉の一つ一つを聞いているだけ。


「今日だって、類くんが帰ってきても何も出来ていなくて…、もう何も上手く行かないのが嫌になって八つ当たりしたんです。」

「もうどこからツッコめばいいか分かんないけど。」

「ですよね…、呆れられて当然です。」

「そうじゃなくて、君は思い込みも激しいタイプなんだった…。1つ1つ言わなきゃ伝わんないから、ポンコツに走っちゃうんだな。」


 そう言いながらはあーと深く溜息を吐く。

 今は類くんの言っている事も中々分からなくて首を傾げる。

 そんな私を見てほんの少し笑みを零すと、頭を優しく撫でてくれた。


「もう君相手に伝えられない事も無いし、1つずつ答えるから今度は俺の話聞いてて。」


 小さな子供に言い聞かせる様な優しい言い方に黙って首を縦に振る。