君と始める最後の恋

 あまり仕事に身が入らないまま、刻々と時間は過ぎて行って類くんが会議室の方から出てくる。

 他の社員とその噂の美女も中から出てきて類くんの隣を歩いていた。

 志織ちゃんから聞いていた通り、スタイルが良くてすらっとしていて、男性社員の目を引く様な顔立ち。キャリアウーマンという言葉が似合っていて、すごく綺麗で、格好良い女性という言葉が似合う。

 ロングヘアーを綺麗にまとめていて、清潔感もあって歩く姿すら美しいと言う感じだ。

 類くんの顔がこっちに向くと、目が合う。

 普段目が合うだけで特に何もないけど、この日はちょいちょいと手招きで呼ばれた。


「結絃ごめん、席外すね。」

「ん、おっけー。」


 今日はオフィスに居た結絃に声を掛けて、席を立ち上がると類くんの方に近寄る。

 隣の女性が少し驚いた表情をして「わあ」と声を漏らしていた。


「ちょっと、冗談だと思っていたのに本当だったの?」

「何の為に嘘吐くの。君相手に。」

「そうだけど、こんな不愛想な男にこんな可愛い女性が?」


 2人で話すのを見て、呼ばれた理由が分からず首を傾げて「あ、あの…?」と声を掛けると、類くんが私の肩を抱き寄せる。


「…俺の、奥さんの桜庭 郁さん。」


 まさか紹介されるなんて思っていなくて驚いた。